講座004 長寿

第1回 長寿の植物

 

先進国では高齢化の傾向が顕著ですが、我が国日本でも高齢化が加速度的に進んでいます。なんと現在では四人に一人が65歳以上、二人に一人が50歳以上なのだそうです。ある試算によると、2060年には4人に一人が75歳以上になり、2.5人に一人が65歳以上になるとか。

いうまでもなく、人口の高齢化には深刻な社会問題としての側面があります。

しかし、本講座ではそういった事柄は一旦脇に置いておいて、人々が以前よりも長生きできるようになったという事実に注目したいと思います。そこで、長寿の植物、動物、そして、人物についての知見を得ることで、ステレオタイプな高齢社会のイメージとは違う未来を想像するきっかけになれば良いなと思います。

第一回目は長寿の植物についてです。

専門家の間では、様々な意見があるようですが、一般に世界で最も樹齢が長いとされているのはスウェーデンのダラルナ地方にあるオウシュウトウヒという木だそうです。樹齢は9550年。ほぼ、1万年生きていることになりますね。オウシュウトウヒという種族は酸性雨や排気ガス等には弱くそのために枯死することもあるそうですが、そうした事柄には関係なく強靭な生命力を保ち続けているようです。それどころかこの木は最近50年で成長した幹があるそうです。どこまでも成長し続ける姿勢は私達も見習っていきたいですね。

次に紹介したいのが、バオバブです。バオバブという木も数千年の寿命を持つものがたくさんありますが、南アフリカにはなんと酒場に変化した樹齢6000年のバオバブの木があるそうです。バオバブという木は樹齢が1000年を越えると幹の中が空洞化していくので、それを利用して木の中を酒場として使っているのだそうです。酒場には人々の様々な思いが飛び交います。6000年も生きてきた木であれば、そうした人々の思いを全て受けとめてくれそうな気がします。ただ生きているだけで周りを癒すことができる存在、それは生物が目指すべき究極の姿の一つであると言えるかもしれません。

(了)

 

第二回へ続く

※ この講座「長寿」は全3回のシリーズで行います。第2回は、来年1月にアップロードの予定です。

※ この講座の受講証書は、全3回が終了した後に発行を受けることができます。