心に残る長島吉邦講演会

11月27日、広島東洋カープOBの長島吉邦氏を講師にお迎えしての講演会を開催しました。(長島氏のプロフィールはこちらから)。

長島氏は、まず、自身の中学時代からカープ入団までことを話されました。そして、入団後、当時のチーム事情から誰かが担わなければならなかった打撃投手という役割を背負うまでの大きな心の葛藤、そして、打撃投手へと転向した後はチームの中で努めて明るく振舞い、雰囲気づくりに配慮してきたこと。そのことでいつの間にかチームメイトから、当時、大の人気者だった長嶋茂雄と同じ「チョーさん」の愛称で呼ばれるようになり、チーム全体としても一体感が醸成されてきたことをいろいろなエピソードをまじえながら話されます。とても親しみやすい口調で、まるで来場者との会話を楽しむように話をされるので、来場者もぐいぐいとひきつけられていきます。

日本一の打撃投手になることを決意し、何とかして山本浩二にホームラン王を取らせようと練習を工夫して、一緒になって努力されてきたお話にはプロの高い意識を感じました。

引退後はスコアラーを長く務められたのですが、「ハマの大魔神」佐々木主浩がフォークボールを投げる時の癖を見抜いたことや、巨人江川卓の引退を決定づけた小早川毅彦の逆転サヨナラホームランが生まれるまでの配球の分析と読みなど、スコアラーとして、見えないところでカープを支えて来られたお話はとても興味深いものでした。また、今季引退した黒田博樹にも若いころには特定の球種を投げる時にちょっとした癖があり、それを直すように指導されたこともあるそうです。

球史に残るワンプレーの陰にはスコアラーの存在があり、一流選手が一流選手として表舞台で活躍するためには、見えないところで大きな支えがあるのです。

大きな拍手とともに講演が終了した後は、長島氏にも協力をしていただき、カープにまつわる〇Xクイズで会場全体の交流を深めました。成績優秀者には長島氏のサインボールが贈られ、獲得した小学3年生の男の子はとても嬉しそうでした。

プログラム終了後も和やかな雰囲気の中で来場者との交流が続き、楽しいひと時を過ごすことができました。

背番号18を背負い、実力もあり、大きな期待もあった。それでも時のチーム事情から陰に回らざるを得なかった長島氏。気さくなお人柄で最後に「僕という人間には裏方があっているんだと思いますよ。」と屈託のない笑顔で言われた言葉に、カープの黄金期の強さの秘密に触れた気がしました。

 

                    長島さん! ほんっとに  ありがとうございました!  

 

長島氏から自治会に、ご自身のサイン色紙と庄原市出身(高野町)でカープで活躍した小林誠二投手(1984年には最優秀防御率のタイトルを獲得)のサインボールをプレゼントしていただきました。大切に保管させていただきます。