講座007  グランドゴルフ

 グランドゴルフは、昭和57年に鳥取県東伯郡泊村生涯スポーツ活動推進事業の一環として、泊村教育委員会が中心になり考案されたスポーツです。当時、泊村(現在は湯梨浜町)では高齢化が進み、健康づくりを重要課題としていました。そのため、文部省の補助事業採決に向けて宮脇三巳村長が国や県へ奔走し、昭和57年に泊村は指定を受けました。そして、教育委員会を中心に、高齢者にふさわしい新スポーツとして開発されました。
 高度な技術を必要とせず、しかも全力を出す場面と、集中力や調整力を発揮する場面がうまく組み合わされており、ルールもごく簡単なことから、初心者でもすぐに取り組めることが特徴です。

 専用のクラブ、ボール、ホールポスト、スタートマットを使用して、ゴルフのようにボールをクラブで打ち、ホールポストにホールインするまでの打数を数えます。
 場所によって距離やホールポストの数を自由に設定でき、ルールも簡単なため、どこでも、だれでも手軽に楽しむことができます

 発祥の地が泊村(トマリソン)であることを後世に残すため、「ホールポストの中にボールが静止した状態をトマリという」とルールに明記しました。



グラウンドゴルフのルール


 グラウンドゴルフは、みんなが楽しむことに重点をおいたスポーツですし、審判員もいないので、重要になってくるのはその人の「自律性のあるプレー」です。そのため、ルール自体も最初はエチケットに関するルールから始まっています。自分勝手な行為や、他の人に迷惑をかける行為があると仲間の輪の雰囲気も悪くなりますし、プレー自体も楽しくなくなってしまいます。

 一人一人が自律的な行動をしてこそ、このスポーツが成り立ち、楽しく和気あいあいとプレーができるのです。プレーの途中で声をかけあって、教えてあげたり励ましたりと、仲間とのコミュニケーションも積極的にとるようにしましょう。


★エチケットに関するルール

第一条

プレーヤーは、自分のプレーが終わったら、すみやかに次のプレーヤーの妨げにならない場所にゆく。

  一打目を打つ場所がみんな同じなので、打ったあとその場にゆっくりいてしまうと、次の人が待たないといけなくなります。そのためにすみやかに次に打つ人の邪魔にならないよう配慮するように、というルールだと思います。そして、最初だけでなく、プレーが終わった後もホールポストの近くは特に人が集まり、まだプレーが終わっていない人の邪魔になりやすいものです。常に他の人のプレーを気遣うようにしてください。

第二条

プレーヤーは、同伴のプレーヤーが打つときには、話したり、ボールやホールポストの近くやうしろに立たない。また、自分たちの前をゆく組が終了するまで、ボールを打たない。

  自分がプレーするときに、周りの人がおしゃべりに夢中になっていたり、あっちこっちに動き回ったりしていると集中できないですよね。他のプレーヤーも同じで、集中 を欠くような行動、発言は慎みましょう。また、前の組がホールポスト付近にいてプレーが完全に終わってない状態で、次の組がスタートすることはできません。スタートマットにボールを置く人もいますが、エチケットとしてボールも置かないようにしましょう。

第三条

プレーヤーは、自分の作った穴や足跡を直してゆく。

  自分が打ったあとは、穴や足跡がついて次打つ人のプレーの妨げにならないかをチェックするように習慣付けましょう。特に雨が降ったあとの地面はぬかるんで足跡なども付きやすいので注意が必要です。

★ゲームに関するルール

第4条  ゲーム

ゲームは、所定のボールをきめられた打順にしたがってスタート位置から打ち始め、ホールポストに入って静止した状態「トマリ」までの打数を競うものである。

  基本、スタートマットの位置から、ホールポストに入り静止するまで同じ順番でプレーをするので、最初に打順を決めておくようにしてください。もし、打った後ボールがホールポストに近い場所にとまった場合は、(クラブのヘッドの長さ以内の距離だと考えてください)一言声をかけてからそのまま続けて打ってください。参加者同士気持ちよくプレーをするには、その一言がとても大事になります。

第5条   用具

クラブ、ボール、ホールポスト、スタートマットは定められたものを使用しなければならない。

  ここでいう「定められたもの」は、日本協会認定品を意味しています。日ごろ、仲間内だけで練習したり、非公式の試合、ローカル大会などでプレーを行う場合はこれに準ずる必要はありません。講習会、公式大会では道具はすべて認定品を使用してください。ただし、クラブに滑り止めのテープを巻いたりすることは公式に認められています。

第6条  ゲーム中の打球練習

プレーヤーは、ゲーム中いかなる打球練習も行ってはならない。本条の反則は1打付加する。

  スイング練習などであれば、周囲に配慮して行っても問題ありませんが、ゲーム中はボールを練習で打つことはできません。もし、打ってしまった場合は1打付加のペナルティをうけることになります。

第7条  援助

プレーヤーは、打つとき足場を板などで作ったり、人に支えてもらったりするなど、物的・人的な援助やアドバイス、あるいは風雨からの防護を求めたり、受けたりしてプレーしてはならない。本条の反則は1打付加する。

  どういう打ち方がいいのかしら・・・と人に聞くこと、雨が降ってきた場合など傘をさしてもらうこと(原則傘をさすことは禁止されています)、など人の助けを借りる行為は罰則の対象(1打付加)になります。プレー中にどんな問題が起こったとしても、自主的に考え解決することが基本となります。

第8条  ボールはあるがままの状態でプレー

プレーヤーは、打ったボールが長い草や木のしげみなどの中に入ったとき、ボールの所在と自己のボールであることを確かめる限度においてのみ、これらのものにふれることができる。草を刈ったり、木の枝を折ったりしてプレーしてはならない。本条の反則は1打付加する。

  グラウンドによっては、コースのまわりにしげみや木がある場合があります。そのとき、ボールがその木の真下に行って打ちにくかったりすると、木の枝を少し折っても大丈夫・・・と考える方もいるかもしれません。でも、そういう行為は1打付加のペナルティになります。また、草を抜いたり、小石を蹴ってどけたり、足場を固めたり、故意に打ちやすい環境に整えることはいけません。あくまでもあるがままの状態でプレーするのが基本です。

第9条  ボールの打ち方

プレーヤーは、ボールを打つときはクラブのヘッドで正しく打ち、押し出したりかき寄せたりしたときは1打付加する。ただし、から振りの場合は打数に数えない。

  ヘッドを握りシャフトで打つ場合を除いて、クラブの握り方や握る場所に規制はありません。そして、ヘッドのどの部分でボールを打っても問題ありません。しかし、ホールポスト付近にボールが止まり、構えなくてもボールをかき寄せるだけでポストに入りそうな場合でも、そういう行為をするとペナルティ(1打付加)となります。また、ひきずって打ったり、ボールに2度当たったりしても1打付加です。最後にから振りの場合は、打数としてカウントしません。風の影響で少しでも動いたとしても、ノーカウントです。

第10条  紛失ボールとアウトボール

プレーヤーは、打ったボールが紛失したり、コース外に出たときは1打付加し、ホールポストに近寄らないで、プレー可能な箇所にボールを置き、次の打を行わなければならない。

  めったにないのですが、ボールが見つからなくなったり、川や溝に落ちたりして打てない状況になることがあります。その場合は、1打付加して、替わりになるボールを置きプレーを続けます。池・川・排水溝などに落ちた場合は、ボールが落ちた場所からホールポストに近寄らないで、クラブ1本分(100センチ以内)の範囲内にボールを置いてスタートします。

第11条  プレーの妨げになるボール

プレーヤーは、プレーの妨げになるボールを、一時的に取り除くことを要求することができる。取り除くのは、ボールの持ち主であり、その際ホールポストに対して、ボールの後方にマークをして取り除かなければならない。

  この条では、ボールをプレーの妨げになる場合一時的に「マーク」して取り除くことを規定しています。マークする場合使用するのが、マーカーという丸いコインのようなもので、そのマーカーも置くときはボールの後方に置くことが定められています。

第12条 他のプレーヤーのボールに当たったとき

プレーヤーは、打ったボールが他のプレーヤーのボールに当たったときは、そのままボールの止まった位置からプレーを続ける。当てられたプレーヤーはもとの位置にボールを戻さなければならない。

  打ったボールが他の人のボールに当たったら、自分のボールは止まったその場所からプレーをはじめ、当てられた人のボールは、当たる前の場所にきちんと戻しましょうというルールです。第11条のルールは、この12条のような場合を防ぐためにも、必要不可欠な決まりです。

第13条  止まったボールが風によって動いたとき

プレーヤーは、打ったボールが動いている間は、ボールを打ってはならない。風によってボールが動いたときは、静止した場所からプレーをし、動いてホールポストに入った場合はトマリとする。

  強風の時や、地面の状態によっては一度止まったボールが、動いてしまう場合があります。ボールが動いた場合は、ぴたっと止まるまで待ち、止まったらその場所から打ってください。もし、ボールが風の力でホールポストに入ったときは、自分で打っていなくても「トマリ」と認められます。

第14条  第1打がホールポストに入ったとき

プレーヤーは、入ったボールが1打目でトマリ(ホールインワン)になったときは、合計打数からホールインワン1回につき3打差し引いて計算する。

  1打目を打ったボールが「トマリ」し、ホールインワンとなれば、そのホールポストのスコアは1と記入し、全ホールポスト終了後、合計打数から1回につき-3します。もし、1ゲームにホールインワンを3回した場合は、トータルの打数から-3×3=-9することになります。

第15条  ゲーム中の判定

ゲーム中の判定はプレーヤー自身が行う。ただし、判定が困難な場合は同伴プレーヤーの同意を求める。

  グラウンドゴルフというスポーツは、プレー中にコーチから指導や指示を受けたり、審判員がルールの順守を見ていてくれたりするスポーツではありません。その分、1人1人が自分のプレーに責任を持ち、ルールを守ってプレーする必要があります。よって、すべて自分の判断でゲームを行っていきます。また、もし際どい判定、困難な判定があった場合には、一緒にプレーしている人に「これは、こういう判断でいいのかな?」と意見・同意を求めていいことになっています。ですが、この場合も最終的な判断は自分で行うことになります。

第16条  標準コース

標準コースは、50m、30m、25m、15m 各2ホールの合計8ホールで構成する。

  協会が定めているコースの基準「標準コース」(外回り4コース、内回り4コース、計8ホールポスト)は、公式の試合で使われるなどあくまでも原則として設定されています。日常の練習や非公式の試合などでこのコースを必ず使う必要はありません人数やグラウンドの広さ、時間に応じコースを設定し、プレーを楽しんでください。

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